耳鼻咽喉科について

Otorhinolaryngology耳鼻咽喉科とは?

耳・鼻・のど・首の専門医です。

風邪や体調不良の時、まず内科や小児科に行かれる方が多いと思いますが、耳鼻咽喉科を受診した方がいい場合もあります。
耳鼻咽喉科は耳・鼻・のど・首を専門となり、特殊な器具を使って、耳・鼻・のどの患部を直接診察・検査・治療ができることが特徴です。

Consultationこんな時はお気軽にご相談ください

耳の症状

治療は耳内の清掃などを中心に行います。

こんな時
  • 外耳道の痛み
  • かゆみ
  • 腫れなど
主な症状

外耳道炎・急性中耳炎・耳垢栓塞・外耳道異物

鼻の症状

鼻の違和感や鼻水が止まらない等の場合。

こんな時
  • 鼻がつまる
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • においがしない
  • 鼻や頬が痛む
主な症状

アレルギー性鼻炎・急性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎

喉の症状

のどの痛みや違和感を感じた場合。

こんな時
  • のどの痛み
  • のどがイガイガする
  • 声がかれる
  • いびき
  • 飲み込みにくい
主な症状

急性扁桃炎・急性咽喉頭炎・急性喉頭蓋炎・声帯ポリープ・睡眠時無呼吸症候群

Consultation受診をおすすめする
症状の一例

老人性難聴

人は誰でも、加齢と共に耳が遠くなるものですが、これは老化現象の一つとして避けることのできないものです。
その特徴としては、高音の障害から進行する事が多いです。この事は、女性の声が聞こえにくいので奥さんの話に返事をしないと文句をいわれたりします。一般に左右同程度に進行する場合が多く、音としては聞こえても明確な言葉として聞きとりにくい様です。このことは、語音弁別能の低下と言います。そして大勢の人の集まる講演や会議では一層聞きとりにくく、会話が困難になってきます。早口で喋られるとさらに聞きとれません。

原因は主に内耳の聴覚を司る蝸牛という部位の老化であるといわれています。
発症年齢は、普通60歳過ぎから忍び寄り、人によっては高音の耳鳴を伴ったりもして、次第に進行して行きます。しかしその発症年齢、進行の程度は人々により様々ですが、高血圧や糖尿病、動脈硬化症といった全身的な血管病変を生ずる基礎疾患のある人は早いようです。基礎疾患疾患のコントロールが大切です。

この難聴は、根本的には老化が原因だけに、残念ながら、治すことは出来ません。
といってこのまま放置しますと、次第に進行しまし、他人とのコミュニケーションがとれず、家族や社会との会話に取り残されて孤立して、充分なクオリティオブライフが保てません。平均寿命がどんどん延びている今、これを維持していく事は大切で、その為基礎疾患のコントロール、耳管狭窄症など他の伝音成分を低下させる様な疾患があればこれの治療、さらに補聴器も最近はディジタル補聴器などそれぞれ個人の状態にあわせた性能の物にどんどん改良されていますので、若い頃の耳と同様とは申しませんが、かなり有効ですので、積極的に利用して家族や社会生活の中に入り込み有意義な余生を楽しみましょう。

メニエール病

めまいを起こす病気として非常に有名で、めまいで内科を受診したら「メニエール病ですね。」と言われた人も多い様です。
1861年フランスの耳鼻科医のメニエールが耳鳴、難聴、眩暈を発作的におこす症例をメニエール症候群といい、そのうち内耳出血や内耳梅毒など原因のはっきりしたものを除外したものをメニエール病と呼ぶ様になりました。

本疾患の原因はまだ明確ではなく、内リンパ液の分泌過剰、あるいは吸収障害により内リンパがはれて、水腫という状態が認められることから、原因がわからないという意味で、特発性内リンパ水腫といわれています。
症状は、発作的に悪心、嘔吐、平衡障害、眩暈をきたし、しばしば耳鳴、難聴を伴います。発作は反復して起こり、その感覚は人によって様々で、毎週の様におこす人もいれば、一年に一回くらいの人もいます。冷や汗が出たり、血圧が低下するなど自律神経の乱れはありますが、意識障害はありません。年齢的には青壮年の男性に多く、文明病ともいわれ、都市部でストレスに暴露されやすい状態の人に多い傾向があります。

眩暈は軽い場合は、物が流れるという様な感覚の場合もありますが、普通はぐるぐる回る回転性で立っていられない場合も少なくありません。
眩暈の前駆として耳鳴り、難聴がおこり、次いで眩暈発作がおこる場合がよく見受けられます。眩暈をおこしている人の眼球を注視しますと、眼振(電車で外の景色をみてる人の眼の動き)があり、回転性水平性の混合した眼振が認められます。初期は、眼振の方向は一定しませんが、次第に健側を向く様になります。聴力検査では、患側の内耳機能低下を示す、感音難聴で初期は発作がおさまると次第に改善しますが、反復していると難聴は永続します。聴力検査は補充現象陽性で内耳性を示します。

治療法としては、発作期はまず安静臥床(現実動けませんし、動く気持ちも起こりませんが)薬物療法として、血管拡張剤などを服用したり、7%重曹水を静注したりします。場合により、星状神経節ブロックを行ったりすることもあります。間歇期の治療としては、ストレスを抑える為、自律神経安定剤を中心とする内服等を服用しますが、大切なことは「言うは易し。行うは難し」ですが、生活環境を改善しストレスを避け、心身の安静をはかることが最も必要です。もっともこんな生活を送れる人は、メニエール病とは無縁でしょうけれどね。

鼻出血

何の前ぶれもなく、突然鼻出血がおこり、とてもあわてた経験をお持ちの方も多いと思います。当院も島根大学の前にありますので、センター入試の最中鼻出血をきたし来院、鼻内タンポン挿入したまま受験を続けた受験生がいた事もあります。
鼻出血といってもその程度や出血部位といっても多種多様ですが、一般的に多いのは子供さんの鼻入口部から1㎝ぐらいの所のキーゼルバッハ部位といわれる部位からの出血です。風邪をひいて鼻をかみすぎたり、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎があり、鼻づまりやかゆみの為鼻をかんだり、ほじったりこすったして同部位の血管が拡張して出血しやすくなったりします。夜中に無意識にほじって出血したり、保育園で友達とぶつかって出たといって来院される場合があります。

出血したといってあわてず、よくあおむけに寝かせる人がいますが、これはむしろ血液を飲み込んで、後でむかついてはいたりして良くないです。むしろ頭をうつむき加減にして両側の小鼻(やわらかい所)をなにもつめずに痛いぐらいにしっかりと圧迫して、10分~15分つづけるとこの場合の出血は大方止まります。その後耳鼻科を受診されると、出血部位の確認と共に出血を生じる基礎疾患(アレルギー性鼻炎や鼻中隔彎曲症、血液疾患等)の存在の有無を調べると共に、出血部位を小出血なら硝酸銀等薬物や電気等で焼灼したりします。自分で圧迫しても止血しない場合には、すぐ耳鼻科に受診して下さい。

耳鼻科では、鼻内の血のかたまりを吸引しながら出血部位を確認して血管収縮剤を使用したりして止血操作を行ない、鼻内にガーゼタンポンを挿入し圧迫止血を行います。それでも止血せず、のどに流れて出血が止まらない場合は、特に大人の高血圧等基礎疾患のある人に多いのですが、後鼻孔を閉鎖する目的で、ベロックタンポン挿入を行います。それでも止血しない場合は、外頸動脈領域からの出血の場合は外頸動脈結紮を行なう場合もあります。
この様な場合は当然入院し、必要な場合は輸血等を行ないながら、全身管理の基、基礎疾患の検索及び治療も行われます。鼻出血は繰り返す場合も多いので、一度出血した場合は、油断せず止血したとしても念の為耳鼻科を受診された方が無難です。

突発性難聴

朝起きたら耳が聞こえない、という訴えで受信された患者さんを診察し、耳垢もなく、鼓膜も正常であれば、先ず突発性難聴という疾患を考えます。この疾患は突然発症する高度の感音難聴で、内耳の血管の循環障害が原因である可能性が高いが、未だ明確ではありません。主に一側の耳に起こり。耳鳴りや耳閉感、めまいや嘔気を伴うものもありますが、メニエール病のめまいや嘔気より軽症です。

過労や睡眠不足、風邪の後などに発症する場合が多く、ストレスが引き金になる様です。
聴力検査を行いますと、オージオグラムは内耳性の感音難聴を示しますが、そのなかでも、低温障害型を示すタイプは比較予後良好ですが、高度の感音難聴や、めまいを伴った症例、老人や治療開始の遅れた症例は治りにくい様です。一般的に老人性難聴や騒音性難聴、薬物性難聴など、感音性難聴は直りませんが、この突発性難聴だけは直る可能性の大きな難聴です。
放置していても治癒する自然治癒例も極めて稀にはありますが、殆どは早期に積極的に治療を開始した方が良い結果を得られます。

治療の原則は先ず安静休養しストレスを避け、薬物療法を主体とする治療を行います。ビタミンB群や循環改善剤、及びステロイド療法を行います。施設や症例によっては星状神経節ブロック、ウログラフィン静宙、高気圧酸素療法を行う所もあります。いずれにしても治療開始は早ければ早い程良く、特に1ー2週間以内の治療が大切です。1ヶ月を過ぎますと聴力は殆ど固定してしまいますので、仕事が忙しいので一段落してからとか、すこし様子を見て治らなかったら受診しようとか思わず、聞こえがおかしかったら即刻耳鼻科を受診し、早期に積極的治療を開始してください。

急性副鼻腔炎

風邪を引いた後、いつまでも頭痛が続き熱があったり頬や上の歯が痛くて鼻がつまって多くの汚い鼻水が出たりのどに降りたりという症状があれば、この病気を考えます。鼻の中を診察すると鼻の粘膜は赤く腫脹しており、中鼻道とか嗅裂とか呼ばれる部位に膿性の鼻汁を認め比較的診断は容易ですが、上顎洞や篩骨洞、前頭洞とか呼ばれるどの部位にどの程度の病変が存在するか確認の為、超音波件さとかレントゲン検査とかを行います。

治療としては細菌感染が原因ですのでまず抗生物質を中心とする薬物療法を行います。症例によっては疼痛が強い場合は鎮痛剤や、消炎剤、アレルギー整備炎が合併する場合には抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤等を併用します。局所療法として鼻処置をして鼻粘膜の腫脹を取り去り、鼻と副鼻腔との交通路である自然孔を開大させて排膿をはかりながらネビュライザー療法で直接患部に薬物を流入させます。

殆どの症例はこの治療によって2-3週間で改善しますが、なお軽快しない場合は上顎洞に主病変がある場合には上顎洞穿刺洗浄を行ったり、最近ではヤミックカテーテルを用いて、他の洞も含めて薬液を置換洗浄する施設もあります。この様な治療を行い急性期の症状が軽快しても、レントゲン検査でなお混濁が残り、後鼻漏や頭重感等の症状が残れば、これは慢性副鼻腔炎の急性増悪だった、と考えられ、以後慢性副鼻腔炎に対する根気強い治療が必要です。